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又蔵の火

村の若い者が犬をからかっている。
遠目にハツはそうみた。犬は低く腹這ったいちから、幾度か跳躍を試みようとするが、若者はそのたびにすばやく躰を鼻先に寄せて威嚇し、犬の動きを押さえて いる。

この本の書き出しである。
若者の名は又蔵、土屋虎松だが今は又蔵と名乗っている。父は百五十石取りの庄内藩士土屋久右衛門久明、跡取りを病気で失い妻も跡取りを産んで亡くなっている。家系が途絶える事を避けるため同じ藩の堀彦太夫三誠の三男才蔵と藩医久米家の娘九十尾を夫婦養子とした。その後父九右衛門は隠居して妾を持った。その妾が万次郎を産んでその後虎松、そして松代を産んだ。

万次郎が殺され虎松(又蔵)が兄の敵を討つ事になるのだが、、、。

この作品は初期の頃の作品で、その頃の暗さを持ったものである。物語は史実にもとづく下級武士の仇討ちの物語で鶴岡の寺に「土屋両義士相討ちの地」と言う碑があるそうだ。

ここで作者の生い立ちを振り返ると、作者は6人兄弟・姉妹の4番目で次男。実家は自作農兼小作人で父は長男でありながら本家を継げなかった。土屋万次郎が九右衛門の実子でありながら土屋家を継げなかった事が作者の生い立ちを見ていると重なってくる。

そんな理不尽なところが作品に映し出されているような暗い宿命を背負った主人公は作者の気持ちを代弁するものだったのかと思ってしまう。

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